ナガレホトケドジョウの対策

2002年6月30日 捕らえて体長測定
 沢にナガレホトケドジョウ(カミナリジンゴ)がいますので、記録を取るため体長のみ計ってみました。成体で約5cmあります。ホトケドジョウは、愛知県では準絶滅危惧種に指定され、国レベルでは絶滅危惧1B類に指定されています。
 愛知県の公表では、ナガレホトケドジョウは三河部の山間地域に生息しているとのことです。
 
2005年8月4日 食餌の調査
 沢の水を水槽にかけ流しにして、2週間観察しました。
 1週間後に金魚の餌の乾燥赤虫を与えてみましたが見向きもしません。よく見ると、沢の小石とともに水槽へ入れたカゲロウの幼虫やサワガニの3〜5mm程度の仔が消えていたし、巻き貝の死骸が増えていました。観察していると、巻き貝が石に吸い付く時、裸の体部が殻から少し露出していますが、そこを口でつついたり、噛みついたりしていましたので、そうして殺して食べてしまうのだと思います。更に1週間後に再び赤虫を与えても食べません、巻き貝は全滅していました。
 これは生き餌でないと飼えないと判断して、元の場所へ逃がしてやりました。
2003年4月29日 完成した沢の護岸工事
 沢の上流部の山に土砂流出防止のコンクリート堰堤が3カ所に設置され、安全が保たれるようになった反面、土砂の流出が止まり下流部では、石垣などの根石の「浮き石現象」が出てきました。そのため不安定な石垣となり、コンクリートブロック護岸と河床もコンクリート打ちの3面張りに改造されました。この護岸は改良されたブロックで横に隙間があり、草が着床するようになっていますが河床は石を貼り付けたのみなので生物の生息環境としては良くありません。洪水時には、ほとんどのものが洗い流されます。
 こうしたことから、ナガレホトケドジョウはもちろんサワガニの数も少なくなっています。1950年代には、ウナギ、カワヨシノボリもいましたが近年、いなくなりました。
 人間の生活の安全対策は進みましたが、沢の生物生息環境を保つには高額なお金が必要になります。せめて、集落内の沢に洪水時に避難できる水溜まり(ワンド)のような箇所を設けると良いと考えます。
2005年6月13日 残された生息場所
 3面張りにされない、残った場所が20mと5m位の長さであります。この写真のように草が茂り、夏場の渇水時期にも水温が高くなりすぎず良い効果を出しています。ナガレホトケドジョウは、元来湧き水が流入する沢の淵を好んでいるようです。
 このように、狭い範囲に少数の個体群しか残存していないことは、遺伝的変異が保ちにくくなる恐れがあり、絶滅しないか心配です。